第5章 グラフの描画

この章では,グラフを描画する際の次の基本的な操作について解説します.

  1. テキスト形式データを読み込む

  2. netCDF形式データを読み込む

  3. データのプロパティを設定する

  4. データを削除する

  5. 複数のデータを扱う

1. テキスト形式データを読み込む

データをテキスト形式ファイルから読み込むには,ドラッグ・アンド・ドロップによって読み込む方法 と ツールバーやメニューバーから読み込む方法の 2 種類の方法があります.

Samurai Graph はデータファイルを読み込む際,自動的にデータの種類に適用可能なグラフ描画形式を絞り込みます.

1.1. ドラッグ・アンド・ドロップを利用する

  1. テキストデータファイルを Samurai Graph のウィンドウにドラッグ・アンド・ドロップします.

  2. 描画するグラフの種類を選択するダイアログが現れます.入力したい描画形式を指定して「Nextボタン」を押します.

  3. データのカラム指定を行います.例では,データの1列目をX,2列目をYと見なしてグラフ描画を行います.

    カラム指定が終わったら「Nextボタン」を押します.

  4. データのプロットタイプの指定を行います.また,エラーバー付きのデータの場合,エラーバーを線グラフ・シンボルグラフの位置に付けるか,棒グラフの位置につけるかを選択できます.

    プロットタイプ指定が終わったら「OKボタン」を押します.

これにより,グラフが描画されます.

既に 1つ以上のフィギュアが存在するとき,そのフィギュア上にデータファイルをドロップすると,そのフィギュアに対してデータが追加されます.既存のフィギュアの表示範囲外にデータファイルをドロップしたときには,自動的に新しいフィギュア ID が振られ,新しいフィギュアが作成されます.

1.2. ツールバーやメニューバーを利用する

  1. 次のいずれかの操作を行い,データ追加ウィザードのダイアログを表示します.

    • ツールバーの「データ追加ボタン」 を押す.

    • メニューバーから FileDraw Graph (Ctrl+O+O) を選択する.

  2. Create a New Figureを指定して「Nextボタン」を押します.

    既存のフィギュアが存在し,そのフィギュア上にデータを追加したい場合は,Add to an Existing Figureを選択し,フィギュアのID番号を指定し,「Nextボタン」を押します.

  3. データファイルを入力して「Nextボタン」を押します.

    このとき「Browseボタン」を押すことにより,ファイル選択ダイアログを用いてファイルを選択できます.

  4. 描画するグラフの種類を選択するダイアログが現れます.以降の手順は,ドラッグ・アンド・ドロップでデータを開いた場合と同じです.

これにより,グラフが描画されます.

2. netCDF形式データを読み込む

データをnetCDF形式ファイルから読み込む場合も,テキスト形式ファイルの場合と同様に,ドラッグ・アンド・ドロップによって読み込む方法 と ツールバーやメニューバーから読み込む方法の 2 種類の方法があります.

2.1. ドラッグ・アンド・ドロップを利用する

  1. netCDF形式データファイルを Samurai Graph のウィンドウにドラッグ・アンド・ドロップします.

  2. 描画するグラフの種類を選択するダイアログが現れます.入力したい描画形式を指定して「Next>ボタン」を押します.

  3. データのカラム指定を行います.例では,データのx変数(「X Coordinate」と表示されている変数)をX,height変数(「Height」と表示されている変数)をY,また,誤差として「Lower Error」「Upper Error」と表示されている変数を,それぞれheight変数の上側誤差,下側誤差と見なしてグラフ描画を行います.

    Y軸に指定したheight変数は,y変数の次元も持っています.どのy値のときのグラフを描画するかは,「Coordinate Variables」スライダーで指定します.

    カラム指定が終わったら「Nextボタン」を押します.

  4. データのプロットタイプの指定を行います.また,エラーバー付きのデータの場合,エラーバーを線グラフ・シンボルグラフの位置に付けるか,棒グラフの位置につけるかを選択できます.このダイアログは,テキスト形式ファイルを開いた場合と同じものです.

    プロットタイプ指定が終わったら「OKボタン」を押します.

これにより,グラフが描画されます.

既に 1つ以上のフィギュアが存在するとき,そのフィギュア上にデータファイルをドロップすると,そのフィギュアに対してデータが追加されます.既存のフィギュアの表示範囲外にデータファイルをドロップしたときには,自動的に新しいフィギュア ID が振られ,新しいフィギュアが作成されます.

2.2. ツールバーやメニューバーを利用する

  1. 次のいずれかの操作を行い,データ追加ウィザードのダイアログを表示します.

    • ツールバーの「データ追加ボタン」 を押す.

    • メニューバーから FileDraw Graph (Ctrl+O+O) を選択する.

  2. Create a New Figureを指定して「Nextボタン」を押します.

    既存のフィギュアが存在し,そのフィギュア上にデータを追加したい場合は,Add to an Existing Figureを選択し,フィギュアのID番号を指定し,「Nextボタン」を押します.

  3. データファイルを入力して「Nextボタン」を押します.

    ネットワーク上のnetCDFファイルを選択したい場合は,「URL of netCDF」タブを選択し,URLを入力して「Nextボタン」を押します.

    このとき「Browseボタン」を押すことにより,ファイル選択ダイアログを用いてファイルを選択することもできます.

  4. 描画するグラフの種類を選択するダイアログが現れます.以降の手順は,ドラッグ・アンド・ドロップでデータを開いた場合と同じです.

これにより,グラフが描画されます.

3. データのプロパティを設定する

Samurai Graph では,まず単純な折れ線グラフをデフォルトで描画します.

これに対してグラフの種類や線種・線幅の値の変更などの詳細なグラフ描画の設定を施すには,データのプロパティダイアログを用います.

データのプロパティダイアログは,次のいずれかの手順で表示させます.

  • データのグラフ描画要素をダブルクリックする.

  • データのグラフ描画要素上で右クリックしてメニューを表示して,Propertyを選択する.

  • レジェンド内の,データのグラフ描画要素をダブルクリックする.

これらの操作により,データのプロパティダイアログが表示されます.

プロパティダイアログは,スカラー型 XY データ,ベクトル型データおよびスカラー型 XYZ データでは異なります.

3.1. スカラー型 XY データ

ダイアログの中にある各タブを選択することで,線およびシンボルグラフ(Line),棒グラフ(Bar),エラーバー(Error Bar),軸ラベル文字列(Tick Label)を詳細に設定できます.

選択されたデータの種類によっては,設定できないタブがあります.エラーバーは,データに誤差値が含まれている場合,軸ラベル文字列は,データに軸ラベル文字列が含まれている場合のみ設定できます.

各タブにおいて設定できる項目は次の通りです.

  • 線・シンボルグラフ (Line)

    1. 線グラフの表示・非表示

    2. 欠損値を無視するかどうか

    3. 線の幅

    4. 線の色

    5. 線の種類(Solid, Broken, Dotted, Dashed, Double Dashed)

    6. シンボルグラフの表示・非表示

    7. シンボルの種類(Circle, Square, Diamond, Triangle, Inverted Triangle, Cross, Plus)

    8. シンボルの内部のサイズ,色,透明度(0%(不透過)~100%(完全透過))

    9. シンボル境界線の表示・非表示,線幅,線色

    10. 線・シンボルグラフの基準位置からのシフト量

  • 棒グラフ (Bar)

    1. 棒グラフの表示・非表示

    2. 棒グラフの縦向き表示

    3. ベースライン(関連付けられた Y軸の値)

    4. 棒の幅(関連付けられた X軸の値),透明度(0%(不透過)~100%(完全透過)),棒内部の塗り潰し方法(Fill(単色),Pattern(縞模様などのパターン),Gradation(グラデーション))

    5. 棒の境界線の表示・非表示,幅,色

    6. 棒グラフの基準位置からのシフト量,棒同士の間隔(複数グラフ描画時)

  • エラーバー (Error Bar)

    1. エラーバーの表示・非表示

    2. シンボルの種類(Circle, Transverse Line, No Symbol),サイズ,色,線幅

    3. 表示スタイル(Bothsides, Upside, Downside)

    4. 表示位置を線グラフに揃えるか棒グラフに揃えるか

  • 軸ラベル文字列 (Tick Label)

    1. ラベル文字列の表示・非表示

    2. フォントの名前,スタイル,サイズ,色

    3. ラベル文字列の傾き(-180°~180°)

    4. ラベル文字列のフォーマット

また,各データのグラフ描画要素に共通なプロパティは,ダイアログの上部の部品から設定可能です.

設定可能な項目は以下のとおりです.

  1. 関連付けられるX軸およびY軸

  2. レジェンドにおける表示・非表示

  3. データカラム設定ダイアログの呼び出しボタン

  4. レジェンドに表示されるデータ名

3.2. ベクトル型データ

  1. 関連付けられるX軸およびY軸

  2. レジェンドにおける表示・非表示

  3. データカラム設定ダイアログの呼び出しボタン

  4. レジェンドに表示されるデータ名

  5. 1 cm 当たりのベクトルの大きさ

  6. フィギュアの縦横比を変えたときに,ベクトルの方向を不変にするか成分を不変にするか

  7. 線の幅

  8. 線の種類(Solid, Broken, Dotted, Dashed, Double Dashed)

  9. 先端のサイズ

  10. 先端のシンボルの種類(Arrow Head, Circle, Triangle, Inverted Triangle, Square, Diamond, Transverse Line, Cross, No Symbol)

  11. 先端の矢印の開き・閉じ角度(先端が Arrow Head の場合のみ有効.閉じ角度には,開き角度よりも大きな値を設定する必要があります.)

3.3. スカラー型 XYZ データ

  1. 関連付けられるX軸およびY軸

  2. レジェンドにおける表示・非表示

  3. データカラム設定ダイアログの呼び出しボタン

  4. レジェンドに表示されるデータ名

  5. 要素のサイズ(下図参照)

4. データを削除する

不要となったデータは,次の 2種類の方法で削除できます.

  • メニューバーを用いてデータを削除する方法

    1. 削除したいデータをクリックして,データを選択します.

      このとき,選択されたデータにはアンカーポイントが表示されます.

    2. メニューバーから EditDelete (Delete) を選択します.

  • 右クリックメニューを用いてデータを削除する方法

    削除したいデータを右クリックしてメニューを表示し,Deleteを選択します.

5. 複数のデータを扱う

Samurai Graph では,1つのフィギュアの中に複数のデータを同時に表示させるさせることができます.

5.1. 複数のデータを読み込む

データを読み込む際の操作は,項1. 「テキスト形式データを読み込む」項2. 「netCDF形式データを読み込む」と同じですが,その際にそれぞれの操作方法において次の注意が必要です.

  • ドラッグ・アンド・ドロップを利用する

    2つ目以降のデータは,既存のフィギュア上にデータファイルをドロップします.

    Select The Data Typeダイアログが表示されるので,項1. 「テキスト形式データを読み込む」項2. 「netCDF形式データを読み込む」と同様にして,グラフを描画します.

    複数のデータを表示した例を下に示します.グラフが複数描画されるほか,レジェンドにも複数のデータ名が表示されます.

  • ツールバーやメニューバーを利用する

    ツールバーの「Draw Graphボタン」やメニューバーの FileDraw Graph を選択し,「Figure ID」ダイアログを表示させます.

    「Figure ID」ダイアログでは,Add to an Existing Figureを選択し,1つ目のデータと同じフィギュアの ID を指定します.

    以降は,項1. 「テキスト形式データを読み込む」項2. 「netCDF形式データを読み込む」と同様にして,データを表示します.次図のように,複数のグラフが描画されます.

Last updated: 2010/11/22