はじめに


RCBasic にはプログラム開発用に二種類のコマンドラインツールが付属しています。まず、 rcbasic_build はソースコードである *.bas ファイルの処理後に *.cbc へコンパイルします。*.cbc ファイルの内容は rcbasic (Windows では rcbasic.exe ) アプリケーションで実行される中間バイトコードです。プログラム配布するには *.cbc ファイルの名前に合わせて名称変更した RCBasic の実行可能ファイルのコピーと *.cbc ファイルのパッケージを作成してください。例えば、 myprogram.cbc の場合は myprogram へ rcbasic を名称変更してください (Windows 版では myprogram.exe )。

注意: Windows 版において 32-bit 版の実行可能ファイルでは 32-bit 版の DLL を 64-bit 版の実行可能ファイルでは 64-bit 版の DLL をすべて同梱してください。その他のシステム用のパッケージでも RCBasic のパッケージツールは、この処理を全自動で行います。

Geany からプログラムを実行するには

LINUX
インストーラのディレクトリには geany_files フォルダがあります。このフォルダには filetypes.rcbasic があります。このファイルで FreeBasic の設定を変更すると Geany の *.bas ファイルの設定を上書きします。このファイルを Geany の filedefs (ほとんどの Linux ディストリビューションでは /home/.config/geany/filedefs です) にコピーして、ファイルを filetypes.freebasic へ名称変更してください。

Geany で RCBasic を準備するには新規ファイルの作成と拡張子 *.bas で保存してください。作成後は Build → Compile からプログラムをコンパイルできます。プログラムのコンパイル後は Build → Execute からプログラムを実行できます。

捕捉: RCBasic プログラムのファイル拡張子を変更したい場合は、このファイルを用いて変更後の拡張子を割り当てください。ファイルタイプの変更方法は Geany のドキュメンテーションを参照してください。


WINDOWS
Windows 版の RCBasic において Geany は設定不要です。start_editor.bat ファイルの実行後に新規 *.bas ファイルを作成します。File → New メニューから Template オプションを選択するとシンプルなテンプレートプログラムを読み込みます。新規 *.bas ファイルの作成後は Build → Compile からプログラムをコンパイルすることで *.cbc ファイルを生成します。その後は Build → Execute からプログラムを実行します。


コマンドラインから RCBasic を使うには
Linux 版の RCBasic ではインストール時にパスを設定済みです。Windows 版では rcbasic フォルダにパスを通してください。オペレーティングシステムにより rcbasic/rcbasic_32 または rcbasic/rcbasic_64) のいずれかを指定してください。rcbasic にパスを通した後は rcbasic_build へソースファイルを渡すだけで *.cbc ファイルを作成できます。


rcbasic_build myprogram.bas


生成した *.cbc ファイルは rcbasic へ渡すことで実行します。


rcbasic myprogram.cbc


双方のツールともに使用中の rcbasic のバージョンを出力する --version 引数は使えません。


rcbasic_build --version
rcbasic -version





その他のプラットフォームへの移植
Geany をお使いであれば、 RCBasic には適切なものを選んで配布するためにプログラムのバイナリ配布版向けの生成ツールが付属しています。このツールは Geany 以外のエディタでも使用可能です。*.bas ファイルの名前から成るプロジェクトディレクトリを app_build_gui.cbc へ渡してください。RCBasic で中間バイトコードへコンパイル後に、このツールで生成した配布可能物を各プラットフォームのランタイムに接続します。

このツールは Windows 版において start_editor.exe で Geany を起動した場合は Build メニューから使えます。Linux 版ではパッケージマネージャーで Geany をインストールしてから rcbasic_geany_config.sh を実行してツールを設定してください。これは Geany において FreeBASIC ではなく RCBasic で *.bas ファイルを使うための設定です。この処理は rcbasic_geany_config.sh を編集することで変更可能です。

Android 版をビルドするには Google の公式 Android SDK ページに掲載されている Android SDK コマンドラインツールをインストールしてください。Geany の起動前に環境変数 ANDROID_HOME が設定されていることも必ずご確認ください。Android 版の初回ビルド時、パッケージのダウンロードと初期設定をするために確実にインターネットへ接続してください。Android 版の初回ビルド時、大量の依存関係をビルドする必要があるため APK のビルドは長時間かかります。この作業を終えると、以降のビルド時間は格段に短縮されます。

注意: Android アプリの公開する場合は必ず keystore (キーストア) を生成してください。これは RCBasic に付属のツール gen_key で各種情報を入力すると keystore を作成できます。keystore の作成後、 Android 設定のタブにあるアプリケーションの配布ツールへ keystore の名称とエイリアスに加えてパスワードを入力してください。また、 Android 設定の最下部にある Release のチェックボックスが選択済みであることもご確認ください。

ウェブ版をビルドするには git のインストールが必要です。ウェブ版の初回ビルド時、ランタイムのビルドで emscripten のダウンロードとセットアップをするためにインターネットに接続してください。この処理には時間がかかりますが、このセットアップは初回限り必要なものです。

iOS では XCode プロジェクトのダウンロード後にアセットフォルダへプロジェクトファイルをコピーしてください。作成した *.cbc ファイルを main.cbc へ名称変更してください。これでビルドできるようになります。

これらのツールのソースコードは RCBasic で記述されており、すぐに試せるよう RCBasic に付属しています。RCBasic リポジトリに改良版を寄贈しだけるのでしたら https://github.com/n00b87/RCBASIC3 にてブランチのチェックアウトとプルリクエストをお送りくださいますようお願いします。開発に貢献して頂けると、非常にありがたいです。